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◎プロフィール1981年東京大学医学部医学科を卒業、
同附属病院産婦人科で研修開始。
1991年仏政府給費留学生
(科学技術部門)。
1995年より東京警察病院勤務。
2002年より現職。

女性の「おしも」の悩みと温水洗浄便座の適切な使い方(三井記念病院 中田真木先生)

女性の「おしも」を清潔に保つ手段として、ボタンひとつで手軽に女性のデリケートゾーンを洗浄できる温水洗浄便座ですが、その使い方は利用者の習慣や好みによって違いがあり、いまさら訊けない疑問や質問もありそうです。妊娠と出産前後の温水洗浄便座の適切な使い方について、第1弾に引続き、三井記念病院産婦人科の中田真木先生にお訊きしました。

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Q10.出産後、「おしも」がひりひりして、排便・排尿時にトイレットペーパーでしっかり拭けないときに温水洗浄便座を活用している分娩施設が多いようです。 この場合の使い方を教えてください。

腟やデリケートゾーンに傷や切開創のある状態での、温水洗浄便座の適切な利用法、ということですね。

以前から分娩施設では、出産後、デリケートゾーンの洗浄に使うために「洗浄ボトル」を渡していました。ぬるま湯をやさしくかけて女性のデリケートゾーンを清める方式は、助産に限らず看護や介護の場でも、長く確立されています。表面の汚れを流し汚れの基底部をしとらせてから、濡れガーゼやおしぼりタオルなどで清拭します。洗浄ボトルを使用することの意味は、局所にこびりつく汚れを水分でゆるめ、拭きとりの際の皮膚への刺激を減らし効率的に汚れを除去することにあります。 その際使う水は、水道水でかまいません。

今は簡単に洗浄できる温水洗浄便座が普及し、「洗浄ボトル」を配布しない分娩施設も増えています。 しかしおそらく、実際に使っている人たちには、正しい洗い方と清め方に関する基本知識が行き渡っていません。説明が不足しているようなのです。
当事者からは、洗浄による痛みについてときどき質問が上がってきます。
洗浄ボトルと比較すると洗浄便座はやや強い水流が出てくるのですが 、どうやら痛みに耐えながら強い水流を傷ついたデリケートゾーンにあてている人があるようなのですね。
特に、会陰切開の創部はきれいにしておかないと傷の治りが悪いなどと言われると、なおさら真面目に洗浄に励むのが人情です。
ですが、強すぎる水流は創部の炎症を強め、かえって傷の治りを遅らせます。
今後機器の改良もあるでしょうが、それにしても、手を使わずに水の勢いだけで洗い落とせるのは汚れの中の一部に過ぎません。温水洗浄便座で弱い水流をかけると表面にのっている汚れは流れ落ちる、その後はトイレットペーパーなどで皮膚の表面に残っている汚れを拭き取る、という手順を理解してください。
また、施設側には、出産後の女性の局部が地腫れして洗浄が難しい場合、排尿後は洗浄させなくてよく、用便の後にはスタッフが清拭してあげるようお願いします。

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Q11.出産後しばらくは、排泄関係の不具合やおしもの痛み、性生活の不自由などで多くの女性が悩んでいるようです。このような症状は、何かの病気なのでしょうか?

女性が出産すると、その後数ヶ月は、腹部に力を入れると尿もれしやすい状態が残っています。妊娠する前よりも尿もれしやすい、何となく腟の中に違和感がある、などの変化は、おそらくふつうのお産をしたすべての女性に起こりますが、もれやすさや力の抜けた違和感は、時間の経過とともに軽減します。この回復過程を骨盤底(註)の復古と呼びます。
骨盤底復古にかかる時間やどこまで自然によくなるかは、年齢やその他の身体条件によって差があります。出産後の骨盤底トレーニングには、骨盤底の復古を促進する効果があります。

尿もれの気になる人と気にならない人の差は、妊娠する前の尿禁制能力(尿を膀胱内にキープしてもらさない能力)や、妊娠中と出産後の排尿習慣、お産が安産だったか難産だったか、などが関係しています。妊娠出産で尿がもれやすくなる、腟が弛むなどのトラブルは、軽いものも含めれば出産後の誰にでも起こっています。年齢相当の速度で回復していく限りは、これらの変化をことさらに病気扱いする必要はありません。しかし、難産で骨盤底が傷ついて元にもどらない場合や、高度の尿もれがあって自然の回復が頭打ちになってしまう場合は、病気や異常として扱う必要があります。

(註)「骨盤底」:骨盤の底にあたる部分で、膀胱や子宮、直腸など、骨盤内の臓器を下から支えているもので、頑丈な線維組織や骨格筋でできている。

Q12.出産後の尿もれの原因について、説明してください。

重要な原因の1つ目は、妊娠と出産によって子宮が増大と退縮の目まぐるしい行き還りをすることです。妊娠中は大きな子宮が膀胱を圧迫します。また、膀胱を含め体内の平滑筋(註)がホルモンの影響により弛みます。妊娠中、膀胱は子宮と恥骨の間に挟まれてひしゃげており、内容積に比較して膀胱壁は引きのばされています。

出産が済むと子宮は急速に退縮し、膀胱を圧迫するものがなくなります。しかし膀胱の壁はすぐには元の張力を取り戻せず、しばらくは膀胱の壁がたるんでいます。この期間、尿意(「おしっこがしたい」という知覚)が鈍ります。また子宮が退縮すると排尿の際に膀胱は強く収縮しなけれけばならなくなります。高年出産や重い分娩の後など、しばらく膀胱の収縮力が追いつかず、尿を出しづらくなることがあります。
重要な原因の2つ目は、 分娩で赤ちゃんが骨盤底を通り抜けるとき、骨盤底は大きく押し広げられて傷むという問題です。出産後しばらくは、腟の中の通路がいくらかゆるくなっており、腹圧がかかると膀胱や尿道も腟内に押し込まれたり上下にずれ動いたりします。 分娩の進行が遅く、赤ちゃんを通過させるために子宮の上から強く押したり鉗子や吸引装置で牽引すると、骨盤底の筋肉や支持組織が断裂することもあります。
その他、分娩が途中で滞って半日以上経過した場合など、膀胱や尿道を支配する神経の機能が低下して膀胱麻痺を起こすことがあります。顕著な膀胱麻痺では、尿もれではなく排尿困難が起こるのですが、潜在的な排尿困難は実は頻繁に起っており、腹圧性尿失禁の発症にも関与しています。実際に、腹圧性尿失禁のある女性は、しばしば排尿時に膀胱が十分に収縮せず腹圧で尿を絞り出しています。潜在的な排尿困難の背景は、上に説明したように、神経の機能低下や膀胱壁の弛緩などがあります。

(註)「平滑筋」:血管や臓器を構成している筋肉の一種で、自律神経やホルモンなどの支配を受ける。自分の意思では収縮をコントロールできない。

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Q13.出産後に尿もれがあるとき、どのように手当したらよいですか?

悪露(註)がなくなっても尿もれが残って日常生活に支障があるようでしたら、とりあえず尿もれパッドを使ってください。その際、生理用ナプキンやライナー類などでなく、尿もれのための専用品を使用するのがよいでしょう。生理用ナプキンは1ヶ月のうち数日間だけ使用することを想定し、血液を吸収するためのデザインになっています。尿もれ専用品は毎日連続して使用することを想定し、吸収力が増強されています。専用品の方が、デリケートゾーンのムレやかぶれを起こし難くなっているのです。 尿がもれやすいと、いつもトイレが気になります。それで、尿意がないのに頻繁にトイレへ行ってお腹の力で尿を絞り出すようになる人があります。しかし無理な排尿を繰り返していると、ますます尿もれは恒久化してしまいます。腹圧性尿失禁を悪化させないため、早めの排尿や力づくの排出動作は避けるべきです。出産から何ヶ月かたてば、尿意と膀胱の収縮力は上向きます。尿もれが気になる期間は、ぜひとも尿もれパッドを活用し排尿間隔を短くしないようにしてください。
骨盤底トレーニングは、必ずしも出産後大急ぎで始める必要はありません。お産に引き続く数日間、骨盤底の筋肉や支持組織には炎症が残っています。たとえばスポーツで肉離れや捻挫を起こしたとして、翌日からトレーニングするでしょうか? しませんよね。出産後の骨盤底トレーニングもこれと同じで、自信をもって正しいすぼめ動作ができる、すぼめ動作で違和感や痛みを感じない、という段階になってから骨盤底トレーニングを励行すれば十分です。正しい動作ができているかどうかは助産師や産科医にみてもらってください。やり方について、助産師にポイントを教えてもらってから始めましょう。
なお、排尿の途中で骨盤底筋を強く締めて尿流をストップするトレーニングがありますが、これは正常な排尿反射を撹乱し著しく有害です。このトレーニング法は、医学的な立場では推奨できません。経産女性の尿もれを減らすためには、骨盤底を鍛えるだけでなく、膀胱と尿道の協調的な働きを大切にする必要があります。

(註)「悪露(おろ)」:分娩後の数週間、子宮と腟が妊娠前の状態に戻る過程で排出される血液を混じた分泌物。最初は鮮やかな赤色で、時間がたつと血液成分が薄まり褐色になる。

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Q14.出産後の尿もれはどのような経過をとりますか。どのくらい続いたら、受診するのがよいでしょうか?

出産年齢の女性の膀胱や尿道にはふつう十分な余力があり、尿意や排出力は時間の経過で次第に回復します。ただし昨今は、成長過程で女の子たちの足腰の鍛え方が不足しており、妊娠出産による骨盤底のトラブルは懸念されます。骨盤底のトラブルの増加には、出産年齢の上昇も関与しています。かつては、出産後の尿もれのほとんどは1ヶ月ほどみているとめどがたつことが多かったのですが、例えば40歳前後の初産婦さんでは、ひととおりの骨盤底復古に2ヶ月ほどかかってしまいます。
いずれにしても、生活に差し障るほどの尿もれであれば、出産後1ヶ月健診の時に産婦人科の担当施設に知らせてください。子宮が下がるとか腟がめくれて下がるなどの問題も、この段階で産婦人科の担当医が状況をつかんでカルテに書くことになります。
尿もれについて、とりあえず日常生活に不自由を感じないときには、相談せずしばらく経過をみていてかまいません。子宮下垂や腟弛緩の治療や管理が必要かどうかは、ケースバイケースで判断します。 尿もれがあり、出産後3~4ヶ月たってあまりよくならないとき、後から統計をとってみると、そのような場合は自然の回復が頭打ちになり恒久化することが多いことがわかっています。
いま日常的に困っていなくとも、出産後3~4ヵ月たって尿もれがよくならないときは、産婦人科へ相談すべき「しおどき」と言えます。職場に戻る予定の人なら、そろそろ育休あけが気になってくるかもしれません。ほとんどの場合に治療には専門施設への移動が必要になるのですが、いきなり専門施設を探すよりは、妊娠出産の経過などについて情報提供(紹介状)を作ってもらう方がよいでしょう。

Q15.出産後の女性の体は、何ともないように見えても、実はいろいろな部分にダメージを受けているのですね。これから妊娠出産する若い女性が、出産しても「おしも」のトラブルに遭わないようにするために、日頃から心がけておくことはありますか?

1. 足腰を使い、筋力を強化する

大人の骨格と筋肉は、第2次成長期から20歳代半ばまでに作られます。思春期から20歳代半ばまでの骨盤底の作られる期間に足腰を鍛える機会が足りないと、頑丈な足腰と骨盤底は育ちません。 現代人はどこへ行くにも乗り物を使い、自分の足で歩くことが減っているので問題です。ティーンエイジの時期に無理なダイエットをしたり、ハイヒールなど足腰の使い方を偏らせる履物を身につける女子が多いのも、気になります。
中高年層では、骨盤底トレーニングと腹筋トレーニングに関心を持つ人がたくさんありますが、骨盤底の健康はまず健全な足腰から、と言う順序があります。足腰を惜しみなく使い、自分の足で地面を蹴って歩くことです。その上で、スポーツやエクササイズ、骨盤底トレーニングなどで筋力維持を心がけられれば、最高です。骨盤底動作の正しい人なら、足腰を使う動作で骨盤底筋も鍛えられます。

2. 体重を管理する

骨盤底に限りませんが、贅肉がつきすぎると関節のトラブルは増加します。膝や腰に痛みが出て歩行中の脚の出し方がスムーズでなくなると、一歩歩くごとに骨盤底へは余計な負担がかかります。内臓周りの脂肪が増えると、身体の内部の圧力が高くなり、これも膀胱や骨盤底を上から押すため、尿意が切迫したり尿もれしやすくなったりします。
ではどのくらいの体重が好ましいかということですが、体格体質ということを加味すると、ごく大ざっぱに、身体のつくりの完成する20歳代半ばのときの体重に戻しなさいと言われているようです。ただしこれには例外もあります。

3. 骨盤底に負担をかける要素を見直す

腰痛で整形外科へ受診するとコルセットを作ってくれることがあります(医療用コルセット)。コルセットは急性期の腰痛を管理するのに有用な道具ですが、胴回りをコルセットでしっかりと囲い込んでいると、せきやくしゃみ、いきみなどで腹圧がかかるときにその力はお腹の前方や側方へ逃げず、100%骨盤底に衝撃を与えます。コルセットをしたために子宮脱や尿もれになる人があるのです。胴回りを締めつけるコルセットは骨盤底の負担を増大させるので、自己判断で念のためにいつまでも使い続けると弊害もあります。整形外科の担当医に指示された期間だけ使用してください。
その他、便秘でいつもいきむ、気管支喘息や気道アレルギーなどでいつも咳やくしゃみをしている、などのことがあれば骨盤底への負担は増大します。程度にもよりますが、骨盤底を守るためには、便秘や咳やくしゃみを放置せず手当すべきです。

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Q16.妊娠中のデリケートゾーンの手当は、ふだんと同じでよいのでしょうか?

女性の「おしも」は本来、持続的に分泌物を外へ逃がす仕組みを持っています。一方、現代女性はますますパンツスタイルを好むようになり、そのデリケートゾーンの管理にも、最近とみに『ライナー類を使ってスリムに密閉』ということがあたりまえになっています。しかし、薄いシートは、厚みのあるパッドと比較して明らかに局所を密閉する傾向があり、女性の「おしも」の衛生管理には、かなりの逆風です。
ライナーやシートをあててぴったりした下着をつけると、局所は密閉され腟内は蒸れて雑菌が増加します。一日中ライナー類をあてていると、しばしば、腟内の雑菌が増加して腟炎や腟症になり、ライナー類の表面で蒸れやこすれを起こして皮膚障害を併発します。臭いや局所のかゆみを温水洗浄便座で何とか解決しようとする人、洗いすぎでさらにトラブルが倍加して外用薬に頼る人、入手した外用薬が肌に合わなくて今度はかぶれを起こし産婦人科に受診する人など、さまざまなトラブルに発展します。
妊娠中、デリケートゾーンの衛生管理という課題はさらに重みを持っています。腟の中の雑菌が増えると切迫早産や早産が増加することは、すでに医学的に証明されています。「おしも」の雑菌の増加は女性の膀胱炎や腎盂腎炎の主要な原因であることも、十分確認されています。妊娠すると腟分泌物が増加しますが、これは腟の自浄能力を高める自然の摂理であり、おりてくる分泌物を出口のところでせき止めることは有害なのです。「おしも」の雑菌を減らすためには、 粘膜や皮膚をいたわることも不可欠です。
前回も述べましたが、今どきの女性の服装習慣は、女性のデリケートゾーンには間違いなく過酷なものです。 女性の「おしも」をよい状態に保つには、生活習慣の見直しが肝要です。『ライナー類を使ってスリムに密閉』ということは、女性の「おしも」に負担のかかる管理方式であり、 1日中継続すると健康上の問題が起こり得る、ということを理解すべきです。 帰宅したら、自室に戻ったら、早めにデリケートゾーンの密閉を解き、「おしも」の風通しがよい服装に着替えましょう。温水洗浄便座は便利で快適な道具ですが、その便利も快適も、健常な皮膚や粘膜があってのことです。
「おしも」の皮膚や粘膜に炎症があるときに ─ かゆみがあるときには実際に炎症があるわけですが ─ 強い水流を長時間ぶつければ、その分さらに炎症は強くなります。皮膚や粘膜の状態に問題がないときでも、あてる水流はやさしく、表皮に接する汚れを水流の勢いだけで洗い落とそうとせず、ぬるま湯でゆるめて後柔らかい紙や布で拭うようにしましょう。いかなる方式であれ、特に汚れていない腟内を水で洗浄することは腟内の細菌環境を撹乱します。これは医学的には推奨されないことです。

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Q17.これまでお話しいただいた「おしも」のトラブルでは、産婦人科にかかるのが一般的だと思いますが、産婦人科以外でも、診察は可能なのでしょうか?

女性のデリケートゾーンのトラブルは、たいていは産婦人科が最初の窓口となります。 「おしも」の皮膚に難治性のかゆみがある場合には、皮膚科の方が専門性は勝っていますが、まず産婦人科で腟炎や異常なおりものなどがないことを確認する必要があります。
その場合は医学的な応急処置の出番です。

頻尿や尿もれなど、膀胱・尿道関係の不具合に関しては、産婦人科だけでなく泌尿器科も受診先となりますが、泌尿器科の中には女性の受診者を受け入れる態勢の整っていないところがあり、受診前の問い合わせが必要です。
出産に引き続く尿もれや便もれ・ガスもれなどについては、それぞれの専門となる泌尿器科や大腸肛門科に直接受診するよりも、分娩を担当した産科施設にまず相談するのがよいでしょう。ただし、痔疾や肛門の痛みについては、出産後であっても最初から肛門科に受診してよいと思います。
便秘については、クリアに説明しづらいのですが、子宮が下がる腟がめくれるといった問題のあるときは、まず産婦人科に相談してください。そのような付帯状況のない場合は、妊娠中と出産後授乳中は産婦人科へ、それ以外は程度や続いている期間などにより、実はケースバイケースです。一般医薬品でも製薬メーカーが競って優れた配合便秘薬を出しています。処方せんを書く医師の中にも、処方せんなしに購入できる便秘薬を愛用している人があるくらいですから、単純性の便秘では一般医薬品をまず試すのがよいかもしれません。

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清潔で快適なデリケートゾーンを

妊娠・出産、月経…。どの切り口からみても、女性にとって「おしも」の悩みは身近な存在です。 このインタビューで、中田先生は、「女性の清潔で快適なデリケートゾーン」を守るための要件として、清潔習慣と、骨盤底の働きの二つを挙げました。
出産後には、多くの女性が骨盤底の異変を味わいます。妊娠出産によって女性の骨盤底は危険にさらされるのです。しかし、排尿排便関係のトラブルがある場合は別として、女性のデリケートゾーンのトラブルの大半は、病気というよりも、今どきの女性の服装の傾向や清拭の習慣に根ざす問題であると言います。
妊娠中の腟炎や腟症は早産につながりますが、それ以外では、デリケートゾーンのトラブルをほっておいても、取り返しのつかない病気に発展することは起こりません。しかし「おしも」がいつもムズムズしていたり局所の臭いが気になる状態では、女性の健康や美しさにはひびが入ってしまいます。局所の密閉を避け、温水洗浄便座を正しく使用して「清潔で快適なデリケートゾーン」を目指しましょう。