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温水洗浄便座(トイレのおしり洗浄機能)の使用の有無による排便後の手指の微生物汚染

ハイライト:トイレのおしり洗浄機能を利用することは、糞便由来の微生物の手指への付着を減らし、手指衛生の維持に効果的です。

研究名: 温水洗浄便座使用の有無による排便後の手指の微生物汚染
研究機関: 山口東京理科大学 宇部フロンティア大学
研究代表者  山口東京理科大学薬学部教授  尾家 重治
研究関係者  山口東京理科大学薬学部教授  河合 伸也
目的: 温水洗浄便座は、世界中で人気が高まっている。しかし、排便後の手指の微生物汚染防止における温水洗浄便座の有効性に関する研究は実験室レベルですでに行われているものの、温水洗浄便座を実際のトイレで使用した場合に、手指衛生に影響を及ぼすかどうかは不明であった。そこで、実際の排便後に温水洗浄便座の使用有無による手指の微生物汚染を比較する調査を行った。
方法: 看護学生32名(男17名、女15名、18~26歳)の参加の下、温水洗浄便座使用の有無による排便後の手袋付着微生物数を調べた。実験参加者は二重にした手袋を装着してトイレットぺーパーで拭き取りを行い、外側手袋に付着した菌数を調べた。この際、ストップウォッチで洗浄時間を測り、水勢設定を記録した。
結果: おしり洗浄の水勢設定では被験者7名が「強」を、18名が「中」を、7名は「弱」を選択、洗浄時間では6名がは5~15秒間、20名が20~30秒間、3名が40~50秒間、3名が60~80秒間で使用した。排便後の手袋に付着する微生物量は、温水洗浄便座を使用した場合に有意に減少し、32名のうち21名(65.6%)は10%未満、8名(25%)は1%未満、2名(6.3%)は0.1%未満の汚染菌量となった。汚染菌量の平均値±標準偏差は、温水洗浄便座の非使用時で39,499.3±77,768.3cfu/手袋、使用時で4,146.9±11,427.7cfu/手袋であった。
結論: 温水洗浄便座の使用は、排便後の手指の微生物汚染の低減に有効であることが実証された。ノロウイルスに感染または不顕性感染の食品取扱い者が、トイレを使用した後に手指を十分に洗わなかったり消毒を行わない場合、その後に取扱った食物に起因するアウトブレイクが発生している。また、下痢のアウトブレイクは主に手指汚染が原因であって、糞便・経口の感染経路を遮断するという観点から、排便後の手指衛生(手洗い、手指消毒)のみならず、排便時に手指の糞便汚染を可能な限り防止することも重要である。本研究から温水洗浄便座が手指の糞便汚染を低減させ、腸管感染の伝播防止に有効なことが判明した。
掲載: 学術論文はJournal of Water and Health vol.20, Issues 1 Jan. 2022:271-275に掲載
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